ULSSAS(ウルサス)とは?SNS時代のマーケティングに欠かせない購買行動プロセスについて解説!
近年では数多くのマーケティングの概念が存在していますが、マーケティング担当者なら絶対に知っておきたいものの一つ、それが「ULSSAS(ウルサス)」です。「ULSSAS(ウルサス)」とは、SNSを中心とした購買行動プロセスを表しており、顧客満足度の向上やコスト削減を図りながらマーケティングを行う上で効果的な手法として注目を集めています。
本コラムでは、ULSSASの概要やメリットなどについて分かりやすく解説していきます。
目次[非表示]
- 1.ULSSASとは?
- 1.1.ULSSASを形成するもの
- 1.1.1.UGC
- 1.1.2.Like
- 1.1.3.Search1(SNS)
- 1.1.4.Search2(Google/Yahoo!)
- 1.1.5.Action
- 1.1.6.Spread
- 1.2.効果的なULSSASに重要な「UGC」
- 2.従来の消費者購買モデルとの違い
- 2.0.1.AIDA(アイダ)
- 2.0.2.AIDMA(アイドマ)
- 2.0.3.AISAS(アイサス)
- 2.0.4.VISAS(ヴィサス)
- 3.なぜ今、ULSSASが注目されているのか
- 4.まとめ
ULSSASとは?
「ULSSAS(ウルサス)」は最近話題となっているマーケティングの概念のひとつです。株式会社ホットリンク社が提唱したSNS時代の新たな購買行動プロセスを指しています。
SNSが普及している現代特有のユーザー行動を活かし、SNSを使った口コミやレビューなどの「ユーザー投稿コンテンツ(UGC)」をマーケティング戦略に活用していくという考え方がULSSASという購買行動プロセスです。
その概念と実用性は日々進化し、現代のマーケティング戦略においては欠かせないものとなっています。
ULSSASを形成するもの
(画像引用;SNS時代のマーケティングフレームワーク、「ULSSAS(ウルサス)」とは )
ULSSASは以下の頭文字から作られた言葉です。
UGC
「UCG」とはユーザー投稿コンテンツのことで、ユーザーがSNSを通じて投稿する口コミやレビューのことを指します。
企業が直接宣伝するよりも、リアルで親近感のあるUGCは高評価や興味を得やすく、他のユーザーに商品を使ってみたいと思ってもらいやすくなります。
Like
LikeはSNSでユーザーがお気に入りの投稿を「いいね!」したり保存したりすることを指しています。ユーザーはお気に入りとして保存することで、具体的に検討したりさらに関心を高めるためのアクションに移行したりします。
Search1(SNS)
Search1はSNSでコンテンツに関する情報を検索する行動のことを指します。近年では、SNS上でハッシュタグや公式アカウントを通じて新商品の情報や、商品のメリット、感想などを検索するユーザーが増加しています。
Search2(Google/Yahoo!)
Search2はGoogleやYahoo!などといった検索エンジンからコンテンツの情報を検索する行動のことを指します。SNSで気になった商品を検索エンジンで検索してみるというユーザーもとても多いため、SEO対策などによってキーワードの検索順位を高める施策は重要です。
Action
Actionは、実際に商品の購入やサービスの契約を行うことを指しています。ここまでのSNSや検索エンジンによる情報収集でユーザーは十分に購買意欲が高まっているため、公式サイトやECサイトへの導線を適切にし、スムーズな購入につなげることが大切です。
Spread
Spreadは商品やサービスを使ってみた感想を、SNSに投稿して拡散することを指します。ユーザーによって拡散された感想やレビュー投稿がUGCとなり、最初のサイクルに戻ります。
効果的なULSSASに重要な「UGC」
ULSSASを効果的に取り入れるためには、質のいい「UGC」が必要不可欠です。UGCの質が高ければ高いほど、ULSSASの良い循環が生まれ、商品やサービスの認知の広がりが活性化します。
そのためには、UCGの元の情報である商品やサービスの質が良いことも大切になってきます。商品やサービスが良いと、「もっと他の人にも知ってほしい!」といったプラスの感情を消費者が抱きやすく、自然とUCGの質が良くなります。
従来の消費者購買モデルとの違い
購買モデルとは、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理や行動の変化のことを指しており、消費者の購買モデルを理解することで、消費者に適した商品・サービス企画や広告設定ができます。
購買行動モデルの考え方が生まれたのは1920年代で、そこから消費者の購買モデルは、時代やテクノロジーの進化によって変化しています。
時代ごとの購買モデルとULSSASとの違いをみていきましょう。
・AIDA(アイダ):1920年代頃
・AIDMA(アイドマ):1920年代頃
・AISAS(アイサス):2005年頃
・VISAS(ヴィサス):2010年頃
・ULSSAS(ウルサス):2020年頃
AIDA(アイダ)
AIDA(アイダ)は、1920年代のマス広告が中心だった時代の購買行動モデルです。BtoCにおける最も古典的なモデルの1つとされています。AIDAを構成するのは以下の4つです。
・Attention/Awareness(注意/自覚)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Action(行動)
消費者はCMやカタログ、店頭などで商品・サービスを知り、商品やサービスに関心を持ち、商品を欲し、購入に至るというパターンを表しています。
AIDMA(アイドマ)
AIDMA(アイドマ)は、AIDAと同様、1920年代頃にアメリカの著作家、サミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱された購買モデルです。AIDMAを構成するのは以下の5つです。
・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)
欲求までの段階はAIDAと同様ですが、消費者が商品やサービスを欲しいと思った後に、その感情を記憶し、検証した後購買に至る購買モデルを表しています。
AISAS(アイサス)
AISAS(アイサス)はインターネットが普及した時代の新しい購買モデルです。AISASは以下の5つで構成されます。
・Attention(注意・認知)
・Interest(関心)
・Sarch(検索)
・Action(行動)
・Share(共有)
AISASの特徴は、「検索」「共有」というインターネット特有の行動パターンが加わったことです。
消費者は商品・サービスに興味をもつと、まずインターネットを使って検索し、商品やサービスの詳細・口コミなどを確認、気に入ったら購入します。購入後は、そのレビューをインターネット上で発信し、共有します。
VISAS(ヴィサス)
VISAS(ヴィサス)は、SNSの普及による消費者行動の変化を反映した購買モデルで、2010年代以降に提唱されはじめました。VISASは以下の5つで構成されます。
・Viral(口コミ)
・Influence(影響)
・Sympathy(共感)
・Action(行動)
・Share(共有)
これまでの購買モデルと異なる大きな特徴は、入り口が口コミになるところです。消費者は商品・サービスの口コミを見て、その購買理由や行動に共感し、影響を受けることで商品を購入します。そして購入後に他のユーザーに共有します。
これらの購買モデルは、認知から行動・共有までフェーズが進むにつれて下に落ちていく逆三角形のファネル形状になっていますが、ULSSASは上から落とすのではなく、サイクルが回る「フライホイール(弾み車)」の形状になっているのが、今までの購買モデルとの大きな違いです。
なぜ今、ULSSASが注目されているのか
近年のデジタル化が進む市場環境の変化が大きいことから注目を集めているULSSASですが、ビジネスに取り入れる上で大きく2つのメリットが挙げられます。
- コスト削減ができる
- 顧客満足度が上がる
コストが削減できる
従来のマーケティングファネルは、商品やサービスの認知を広げるためにはTVCMや雑誌、インターネットなどでの広告費が継続的にかかることになります。一方でULSSASは、UGCを活用することでSNSで自動的に認知が広がるため、広告費を削減することができます。
顧客満足度が上がる
ULSSASには質の良いUGCの存在が必須です。そのためには、質の良い商品やサービスを提供する必要があり、顧客満足度も比例して上がります。
まとめ
今回ご紹介したULSSASは、マーケティングにおいて有用なツールであり、その活用法を理解することで、競争優位性を確保し、効率的なマーケティング戦略を立てることができます。
また、前述したようにULSSASには質のいいUGCが必要不可欠です。ですが、効率よくUGCを増やすことは企業の課題のひとつにもなり得ます。そのため、UGCを効率よく増やすために、影響力のあるインフルエンサーを用いて企業の商品やサービスをPRしてもらうインフルエンサーマーケティングも効果的です。
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