ソーシャルセリングとは?新時代の販売戦略を深掘り解説
スマホやパソコンの普及により、現代のBtoBビジネスではインターネットを通じた営業活動が当たり前となっています。
「ソーシャルセリング」は、SNSを駆使して企業価値を伝え、見込み顧客との関係を構築する営業手法です。
今回は、現代において重要な販売戦略となっている「ソーシャルセリング」について、定義やメリット・デメリット、行う際のポイントについて解説していきます。
目次[非表示]
- 1.ソーシャルセリングとは?
- 2.ソーシャルセリングのメリット
- 2.1.見込み客に対してダイレクトにアプローチできる
- 2.2.即時性のある対応が可能
- 2.3.ターゲットを絞った情報発信が可能
- 3.ソーシャルセリングのデメリット
- 3.1.SNSの公開性からくるリスク
- 3.2.成果が出るために時間がかかる
- 4.ソーシャルセリングの具体的な方法
- 4.0.1.目的を定め、最適なSNSを選ぶ
- 4.0.2.プロフィールを最適化する
- 4.0.3.見込み客のニーズに合ったコンテンツを発信
- 4.0.4.コミュニケーションを図り、信頼関係を築く
- 5.効果的なソーシャルセリングのポイント
- 6.まとめ
ソーシャルセリングとは?
「ソーシャルセリング」とは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用した販売手法のことを指します。
具体的には、Facebook、X(旧:Twitter)、LinkedIn、Instagramなど各種SNS上で自社商品やサービスに関する情報を発信、見込み客からの反応にリアルタイムで対応することで、関心を持つ顧客との深い関係を築き上げることで、自社商品やサービスなどの購入を促します。
SNSを活用した販売戦略はECのみならず、人材マッチング系サービスや案件紹介サービス、WEB制作サービスなど多岐にわたり、近年ではBtoBマーケティングにおいても活用されています。
ソーシャルセリングで重要なのはただ情報を流すだけでなく、顧客とのコミュニケーションを通じて信頼関係を構築することです。また、SNSアカウントのプロフィールを丁寧に作り込むことも大切です。
SNSマーケティングとソーシャルセリングの違い
ソーシャルセリングは、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングとは違った意味合いを持ちます。
SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングは、
- SNSの拡散により、見込み顧客だけではなく潜在顧客への幅広いターゲットに向けたアプローチが目的
- 自社の商品やサービスの認知度の向上、ブランディングに繋げることが目的
- 潜在顧客の育成や購買の促進への活用
といった特徴があります。
一方、ソーシャルセリングは、
- SNSを利用して見込み客や既存顧客への営業活動が目的
- 見込み客とコミュニケーションを図り、信頼関係を構築して購入に繋げる
- 購買や契約などの具体的な行動に繋げることが目標
といった特徴があります。
ソーシャルセリングのメリット
ソーシャルセリングには大きく3つのメリットが挙げられます。
見込み客に対してダイレクトにアプローチできる
従来の対面での営業方法では、日程調整や移動時間などがありますが、SNSを利用して行う営業方法であればユーザーが好きな時間にページを閲覧することができメッセージを送ることが可能になります。
また、SNSのプラットフォームを活用することで、従来の販売チャネルでは接触できなかった広範かつ多様な層の見込み客に曜日や時間を問わずダイレクトにアプローチが可能です。
この広大なリーチが、新たな顧客獲得のチャンスを生み出します。
即時性のある対応が可能
SNSのリアルタイム性は見込み客に対する即時性のある対応を可能にします。例えば、見込み客からの問い合わせに対し、迅速かつ適切なアクションをとることが可能となり、これは顧客満足度の向上に直結します。
また、悩みや解決したいことに対し、きちんと分析すれば相手が欲しい情報を的確に提供できるようになるでしょう。購入までのアドバイザー的役割を果たすことでクロージングまでのリードタイムを縮めることが可能となります。
ターゲットを絞った情報発信が可能
さらに、SNSを活用することで、個々の顧客に対しパーソナライズされたメッセージングが可能となります。一方通行の広告ではなく、顧客一人ひとりのニーズや行動に応じた情報提供が可能となり、これにより深い信頼関係の構築を目指せます。
ソーシャルセリングのデメリット
一方で、ソーシャルセリングには注意すべきデメリットも存在します。
SNSの公開性からくるリスク
最も注意するべき点は、SNSの公開性からくるリスクです。自社の製品やサービスについての顧客からのネガティブな評価やコメントが一度公開されてしまえば、瞬時に拡散する可能性があります。
これにより、企業の信用やブランドイメージが大きく傷つく事態を招くことは珍しくありません。
情報内容はもちろん、一方的な発信になりがちなSNSだからこそ、信頼を得るためには長期的に良好な関係を続ける必要があります。
成果が出るために時間がかかる
ソーシャルセリングは時間とリソースの大きな投資を求められるのも特徴です。定期的な情報発信、リアルタイムな顧客対応、質の高いコンテンツ作成などに時間や労力を割く必要があります。
SNS上で見込み客とコミュニケーションを取ることから始めるため、成果が出るまでに時間がかかることはデメリットの一つです。
ソーシャルセリングの具体的な方法
目的を定め、最適なSNSを選ぶ
まずは、ソーシャルセリングをどんな目的で行うか、どんな効果を期待するのかといった点の目的を定めます。また、どんなターゲットを狙ってアクションを行うかというゴールを見据えることも重要です。
目的が定まったら、最適なSNSを選びます。SNSによってユーザー層や機能も違うため、ターゲットとする層がいるのか、行いたいアクションに対して見合っているのかを基準にSNSを選ぶことが必要です。
プロフィールを最適化する
目的に合ったSNSを選ぶことができたら、最初に実施することはプロフィールの最適化です。
SNSでは一番最初に見る箇所がプロフィール欄であるため、見込み客に自身の課題を解決してくれそうと感じてもらう為の工夫が必要となります。
見込み客のニーズに合ったコンテンツを発信
最適なSNSを選定しプロフィールの設定が完了したら、自社の商品やサービスについての情報を見込み客に共有します。ここで重要なのは、ただ自社の製品をアピールするだけでなく、顧客の課題解決にどのように役立つのかという視点を入れることです。
また、見込み客の関心とニーズに答えるような有用なコンテンツを提供します。この時、重要になるのは見込み客にとって価値ある情報を提供するということ。つまり、自社の商品やサービスのみならず、業界の最新動向やトレンドなど、幅広い情報を発信するべきです。
コミュニケーションを図り、信頼関係を築く
そして最後に、SNS上での双方向のコミュニケーションを忘れてはいけません。見込み客や顧客からの質問やフィードバックに対しては、迅速かつ適切に応答し、それによって信頼関係を築くことが求められます。
効果的なソーシャルセリングのポイント
効果的なソーシャルセリングを行うためには3つのポイントがあります。
・自社ブランドやサービス・商品の価値を理解し、見込み客に伝えること
・見込み客のニーズに応えるための質の高いコンテンツ作成
・リアルタイムでのコミュニケーション
「自社のブランドと価値を理解し、それを見込み客に伝えること」、これはソーシャルセリングの基本的な目的であり、常に意識すべき点です。
次に、見込み客のニーズに適切に応えるための質の高いコンテンツ作りを行うことは、商品・サービスだけでなく、企業としての信頼性や価値も伝えることが可能となります。
そして最後に、見込み客との関係を築くために、常にリアルタイムでのコミュニケーションを保つことです。これは時間とリソースを要しますが、見込み客からの信頼を得るためには欠かせない要素であり、日々のコミュニケーションの延長線上で商談に繋げることができるため、成約率が高まります。
まとめ
ソーシャルセリングは、SNSを活用することで、見込み客との接点を増やし、信頼関係を築くことが可能となります。
しかし、ソーシャルセリングの成功のためには定期的な情報発信、質の高いコンテンツ作成、顧客応対の遵守など、多大なリソースを投じる必要があることも理解すべきです。
現代の販売手法としてその可能性と影響力を増しているソーシャルセリングの有効性を理解し、そのリスクを最小限に抑えつつ、新たな販売戦略として利用することを検討してみてはいかがでしょうか。