「ファンマーケティング」とは?いま注目されているマーケティング手法のメリット・デメリットを解説!
様々なマーケティング手法がある昨今、「ファンマーケティング」というマーケティング手法をご存知でしょうか?
ファンマーケティングとは、自社ブランドや商品・サービスに対して愛着を持っているファンを増やし、中長期的な売上拡大に繋げるマーケティング手法です。
自社ブランドや商品・サービスにファンをしっかりと増やすことができれば、顧客が商品やサービスを継続的に利用してくれたり、身近な人やSNS上でのユーザーに向けて良い口コミを広めてくれたりします。
本コラムでは、ファンマーケティングについて注目されている背景や、メリット・デメリット、種類について解説していきます。
目次[非表示]
- 1.ファンマーケティングとは?
- 2.ファンマーケティングが注目されている背景
- 2.0.1.インターネット、SNSの普及
- 2.0.2.LTV獲得の重要性
- 3.ファンマーケティングの種類
- 4.ファンマーケティングのメリット
- 4.1.ファンの「口コミ」は信頼向上に繋がる
- 4.2.商品・サービスへのフィードバックが集められる
- 4.3.広告費の削減ができる
- 5.ファンマーケティングのデメリット
- 6.まとめ
ファンマーケティングとは?
「ファンマーケティング」とは、自社ブランドや商品・サービスに対して愛着を持ったファンを増やすことで、中長期的に売上拡大を目指すマーケティング手法です。
「ファン」とは企業の世界観や創業者の想い・価値観に共感してくれたり、企業や商品・サービスを愛し、信頼している人のことを指します。ファンとなった消費者は、継続的な顧客として商品・サービスやブランドを支え続けてくれる存在です。
ファンマーケティングが注目されている背景
ファンマーケティングはインターネット普及後に浸透してきたマーケティング手法です。なぜ近年ではファンマーケティングが注目されているのでしょうか?
インターネット、SNSの普及
インターネットやSNSの普及により、消費者は自分に合った商品やサービスを自分で探すことが簡単になりました。さらに、インターネットやSNS上に公開・投稿されているたくさんの口コミや感想などの情報から、自分に必要な情報を集め、競合他社と比較検討することが可能となったのです。
そのため、企業や商品・サービスに対して愛着を持ち、信頼してくれるファンの獲得が重要視されるようになりました。
従来はテレビや新聞、雑誌などのマスメディアにおける広告でのアプローチが主流でしたが、インターネットやSNSの普及により、情報の拡散による認知度拡大や顧客の獲得が可能となったこともファンマーケティングが注目を集めるようになった理由の一つです。
LTV獲得の重要性
購買行動が変化した時代背景や市場規模の縮小に伴い、新規顧客の開拓・獲得からLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)の高いロイヤルカスタマーの獲得へと企業は徐々に重点を移し始めています。
インターネットやSNSの普及により、顧客自身が自分に合った商品やサービスを探せるようになった今、「どれだけ長く自社の商品やサービスを購入してもらえるか」という部分が重要視されるようになったのです。
ファンマーケティングの種類
ファンマーケティングには主に以下の方法が挙げられます。
- ファンミーティング
- ファンコミュニティ
- メルマガ配信
- 限定キャンペーン
- サブスクリプション型サービス
- モニター体験
- 共創型商品開発
ファンミーティング
ファン同士やファンと企業が交流するためのイベントを行います。こういったイベントを開催することでより一層自社への愛着を深めてもらう狙いです。
ファンコミュニティ
自社ブランドや商品・サービスに関するファンコミュニティの場を提供することで、ファン同士が交流することができます。
メルマガ配信
企業からファンに向けて定期的にダイレクトメール(キャンペーンの周知やアンケートなど)を配信します。
限定キャンペーン
ファンを対象とした、プレゼントや特典を付与して行う限定キャンペーンは販売促進が期待できます。
サブスクリプション型サービス
ファン限定の商品・サービスを月額などのサブスクリプション型にしてファンを囲い込んでしまうのも一つの手です。会員になったファンのみが利用できる特別なサービスや限定商品の提供などは、ファン側にとってもお得感などのメリットを感じることができます。
モニター体験
モニター体験に参加してもらうのも、実際に商品やサービスを体験してもらうことにより認知度や理解度を深めてもらうチャンスです。
ファン側はSNS上での口コミなどを広めやすくなり、潜在顧客への拡散も期待できます。
共創型商品開発
市場に出す前の商品などに対してファンから意見を収集し、更なる商品開発に繋げることもできます。
ファンマーケティングのメリット
中長期的な売上基盤を築くことができる
ファンマーケティングの大きなメリットとしては、まず中長期で安定した売上基盤を築くことができるという点が挙げられます。
「パレートの法則(別名:『80:20の法則』)」と言って「20%の顧客が全体の80%の売上を生み出している」という考え方がファンマーケティングの理論として有名です。
この理論では、20%の顧客に注力するマーケティングを行うことで全体の売上向上が期待できることから、ファンマーケティングにより良質なファンへと育成し安定した中長期的な安定した売上基盤の構築が可能となるのです。
ファンの「口コミ」は信頼向上に繋がる
インターネットの普及により、欲しい商品や気になっているサービス、また新商品の感想などを検索・比較する人が増えました。
多くの人は買い物をする際に「失敗したくない」という心理が大きく働くため、損をしないためにも情報収集を行っています。そこで大きな役割を果たすのが口コミというわけです。
実際に使用したユーザーのリアルな声は、信頼度の向上に繋がるだけではなく、潜在顧客への認知拡大が期待できます。また「これ良さそう!」と口コミに共感してくれたことで新規顧客の獲得にも繋げることができるのです。
商品・サービスへのフィードバックが集められる
ファンマーケティングを行うことで、自社ブランドや商品・サービスに対するフィードバックを集めることができるというメリットもあります。
実際のリアルな声は、企業側だけでは気づけないような細かい改善点に気づけるきっかけにもなります。ファンと繋がることで商品やサービスのフィードバックを得ることができ、その内容をもとに商品改良や品質改善に取り組むことができるのです。
それによりファンからの信頼や購買意欲の向上を見込めるだけではなく、新規顧客の獲得へと繋がります。
広告費の削減ができる
ファンになった顧客は、自分がハマっている商品やサービスを「もっと多くの人に知って欲しい!」「紹介したい!」と考える人が多いため宣伝をするようになります。
企業が行うPRよりも、実際に使用・体験したことがある人のレビューや口コミはユーザーにとって信頼度が上がります。ファンの宣伝によりブランドイメージが確立されることで、広告費を削減できる効果があります。
ファンマーケティングのデメリット
ファンマーケティングには多くのメリットがありますが、デメリットも少なからず存在します。
ファンを作るまでには時間をかけていく必要があるため、ファンマーケティングを始めてすぐに利益が出るわけではありません。また、炎上のリスクがあることにも留意しておく必要があります。
しかし、SNSを活用したマーケティングには炎上のリスクは避けては通れないため、万が一炎上してしまった際にはファンをがっかりさせないための立ち回りを考えておきましょう。
まとめ
ファンマーケティングは自社ブランドや商品・サービスのファンを作ることで中長期的な売上基盤の構築を狙い、ファンの力でビジネスを成長させるマーケティング手法です。
メリットやデメリットを理解し、自社の商品やサービスに合った方法で活用してみてはいかがでしょうか。