ステルスマーケティングとは?SNSで増える「ステマ」の問題点や見分け方、防ぎ方を解説!
スマートフォンの普及により、YouTubeやInstagram、TwitterなどのSNSが私たちの生活に浸透しています。近年、新商品や新サービスの情報を手に入れるのはテレビや広告ではなく、SNSやネットで検索をして情報を集め商品購入を検討する、といった流れに変わってきています。
インターネットが私たちの生活の一部になっている中で「ステマ」が問題となっています。
「ステマ」という言葉をよく耳にするものの、本来の意味やどういった行為がステマとなってしまうのか分からない方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、ステマによるリスクや防ぐ方法、ステマに引っかからないようにする見分け方について、発信者側と消費者側それぞれに役立つ情報を解説していきます。
目次[非表示]
- 1.ステマとは?
- 2.ステマの主な手法
- 3.ステマによるリスク
- 3.0.1.2023年10月にステマが法規制へ
- 4.なぜステマは無くならないのか?
- 4.1.広告費用を抑えられる
- 4.2.企業側の認識不足
- 5.ステマの見分け方
- 5.1.アカウントやIDをチェックする
- 5.2.投稿内容をチェックする
- 5.3.URLをチェックする
- 6.ステマ疑惑を防ぐためには
- 7.まとめ
ステマとは?
「ステマ」とは、「ステルスマーケティング(stealth marketing)」の略語で、消費者に宣伝広告であることを悟られないように隠し、セールスプロモーション(宣伝や口コミ)活動を行うことです。海外では「アンダーカバーマーケティング(undercover marketing)」とも呼ばれており、「こっそり行う」という意味を持ちます。
意図的に広告や宣伝であることを隠す行為という意味では、「サクラ」とステマは類似すると言えるでしょう。サクラは古くから日本で使われている言葉で、客のふりをして商品を褒めたり買ったりするなど、周囲の購買意欲を高める行為です。
しかし、ステマとサクラには対象範囲に大きな違いがあります。サクラは特定ユーザーのみを欺くのに対して、ステマは内容次第ではインターネット上のユーザー全員を欺いてしまうこともできます。
ステマの主な手法
そんなステマですが、大きく2つの手法に分けられます。
なりすまし型
『なりすまし型』のステマは、業者が一般人になりすまして口コミや評価を書くタイプのものです。利用者になりすましてライバル企業に対し悪口を書き込んだり、特定の飲食店に好意的な書き込みをしていたりする行為が当てはまります。
なりすまし型ステマでは「食べログ事件」が有名です。食べログは、飲食店の利用者がその飲食店への評価を書き込むことができ、ユーザーはその評価を元に飲食店を選ぶことができるだけでなく、飲食店は利用者からの評価により良店かどうか判断されます。この事件では、39業者が良い評価の投稿をなりすましで行い、見返りとして金銭を供与していたことが明らかとなって炎上しました。
利益提供型
『利益提供型』のステマは、芸能人や著名人、インフルエンサーなどの影響力を持っている人に対して、報酬を提供し広告宣伝を依頼するタイプのものです。実際に企業から報酬を受け取っているのにも関わらず、そのことを明らかにしないままSNSなどで宣伝活動を行う事例が多く見られます。
実際にあった利益提供型ステマの事件に「ペニーオークション事件」があります。ペニーオークションは、Web上で行うことができるオークションサイトでしたが、入札するたび手数料がかかるにも関わらず、参加者が入札しても落札できない仕組みになっていたことから、事実上詐欺に当たるとして捜査されました。
さらに、多くの参加者を集めるために複数の芸能人に報酬を支払い、ブログを通して発信を依頼していたことが発覚します。「詐欺そのもの」に関与していないことを複数の芸能人が証明するためにステマ投稿を認める事態にまで発展しました。
また、「ステマ」の中には、無報酬で宣伝を行う場合もありますが「宣伝であることを隠して行われた宣伝行為」であればステマに該当します。
ステマによるリスク
ステマには、大きく以下のリスクが存在します。
- 企業としての信頼性が低下する危険性
- 炎上する可能性
ステマであることが分かると、企業としての信頼性が失くなる可能性があります。特にSNSでの炎上はすぐに拡散・拡大してしまう恐れもあるため注意が必要です。
2023年10月にステマが法規制へ
日本経済新聞によると、景品表示法の「不当表示」の対象にステマが追加され、2023年10月1日から施行することが決定されました。
景品表示法の不当表示に「事業者による商品・サービスの表示であることを消費者が判別するのが困難であるもの」という項目が追加されるため、広告であるにも関わらず、そのことを明瞭しないことで消費者が広告かどうか判断できないようにするという行為は違反とみなされます。
行政処分の対象は広告の事業主となるため、芸能人やインフルエンサーなどの投稿した側は対象にはなりません。
(参考:「ステマ」10月から規制へ 消費者庁、不当表示に追加 |日本経済新聞)
なぜステマは無くならないのか?
広告費用を抑えられる
一般的に、企業が商品やサービスを宣伝広告する場合、媒体にもよりますが広告費用として数十万〜数千万円かかります。知名度や好感度の高い芸能人を起用するとなるとさらに金額は跳ね上がります。
一方で、ステマの場合は数万〜数十万円で広告できることもあり、影響力のあるインフルエンサーに紹介してもらうことでバズも狙えるため、広告費用を抑えながら宣伝をすることができるのです。
企業側の認識不足
以前はブログが多かったステマですが、現在ではTwitterやInstagramなどのSNSが主流となってきました。
そのため、多くの企業がSNSでマーケティング施策を行っていますが、歴史の浅いメディアであることから企業側の認識不足によりステマを行ってしまっているケースもあります。
ステマの見分け方
アカウントやIDをチェックする
ステマに使われるアカウントは作成してから間もなかったり、普段運用されていないアカウントから行われる可能性が高いです。また、商品開発者などの業者自身が宣伝をする際には「捨てアカウント」が利用されるケースも多くあります。
投稿内容をチェックする
ステマの場合は、実際に商品やサービスを使用していないため表現が抽象的になる傾向があります。また、商品やサービスに対してあまりにも詳しすぎる商品情報が載せられている場合もステマの可能性が高く、業者から直接情報を仕入れた上で発信をしている場合もあるのです。
投稿内容をチェックしてみるのもステマを見破る方法の1つです。
URLをチェックする
商品やサービスに関するURLが複雑で長い場合、アフィリエイトリンクのためステマの可能性があります。URLをチェックしてみるのも手です。
ステマ疑惑を防ぐためには
ステマは問題視されているものの、著名人や有名人、影響力のあるインフルエンサーを使っての広告宣伝は、バズを狙ったり、認知拡大を図ったりするには非常に優秀なマーケティング施策です。
そこでステマにならないように以下のことに気をつける必要があります。
- 広告であることを必ず明記
- 事実と異なる情報は発信しない
- インフルエンサーの投稿をチェックする
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はステマについて解説しました。
芸能人やインフルエンサーなどが広告として商品やサービスを紹介すること自体に問題はありませんが、広告活動であるといった表記やステマではないことを明確化して消費者への分かりやすい表記が必要となります。
せっかくの広告宣伝で自社への信頼を失うような事がないように、企業はステマの意味や対象となる行為を正しく認識・理解しておきましょう。
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